解説
立学の精神のもと、平和的世界文化の向上、社会・文化の進展に寄与することを目的として研究活動を推進している。
このため本学は、研究活動によって得られる多様な研究成果を適切に保存、管理、公開、利活用することで、さらなる研究の発展と社会還元を進めるため、研究データポリシーを以下のとおり定める。
本ポリシーは、立学の精神のもと研究を目的とした研究データの管理、利活用に関する本学の方針を示すものであり、研究倫理や個人情報保護などに関する本学の別規程の実施に制約を与えるものではない。
本学の研究者等が研究データを適切に保存、管理、公開、利活用を行うことは、研究データを保護し、その価値を認めることであり、研究者等が将来にわたり優れた研究を行うために、また、本学における将来の研究を守るために必要である。
1.研究データの定義
本ポリシーが対象とする研究データとは、本学における研究活動において取得または生成された情報を指し、デジタルか否かを問わない。
研究データとは、研究活動を通じて取り扱うデータをいう。デジタルか否かは問わない。研究対象から収集または生成したデータのみならず、それらを解析、加工して作成したデータ、そのデータを説明する資料も含まれる。また、数値、画像、テキストなどあらゆる形態が含まれる。
研究データの一例として以下のようなものがあげられるが、当然ながらそれぞれの学問分野ごとに取り扱うデータは異なるため、この限りではない。
- 観測・実験データ ・調査データ
- 設計・制作データ ・文献・論文
- 研究ノート(成果発表の根拠となる情報、データ、資料) など
研究者等が以前に在籍した機関で収集または生成した研究データであっても、本学在籍中にこれらを保持、利用している場合は本ポリシーの対象となる。
2.研究データの保存・管理
研究データを収集または生成した研究者等は、それぞれの研究分野における特性を踏まえ、法令や関係する学内外の規則等を遵守し、研究データを適切に保存・管理する。
研究者等とは、学生、大学院生を含めた本学において研究活動を行う全ての者をいう。ただし、学部生、大学院生においては、研究指導教員等の指導に基づき研究データの管理を行う。
本学における研究分野は多様であるため、研究データの保存、管理及び次項に記載している公開・利活用を行うための具体的な運用等は、それぞれの研究分野における特性を踏まえ学部、学科、研究所等の実情に応じて実施することができる。
公的資金による研究において研究者等は、研究開始前に具体的な研究データの管理・公開に関する事項等をまとめたデータマネジメントプランを作成することとする。
データマネジメントプランは、様式1を参考に作成することとし、科研費、AMED、厚労科研など外部資金によって指定されている項目があれば、適宜、書式に情報を加え管理することとする。ただし、必要事項が網羅されているのであれば、任意様式でも構わない。
研究者等は、自身が退職、卒業等により本学から離籍する場合、またはその他の理由により研究活動を終了する場合、管理する研究データの取扱いをあらかじめ決めなければならない。
3.研究データの公開・利活用
研究者等は、自らが保存・管理する研究データについて、法令や関係する学内外の規則等によって制限される場合を除き、可能な限り公開し、その利活用を促進する。
研究データは、オープン・アンド・クローズ戦略に基づいて、適切に公開するものとする。オープン・アンド・クローズ戦略とは、研究データの特性から公開するものと非公開にするものとに分けて進める戦略のことである。
参考:「大学における研究データポリシー策定のためのガイドライン」大学 ICT 推進協議会(2021 年 7 月 1 日)
公開とは、誰もが利用できる「公開」、条件を満たすなど、限定された者のみアクセスも利用できる「共有」があり、データ作成者・収集者・管理者以外はアクセスも利用できない場合は「非公開」とする。
研究データを公開する際には、FAIR 原則に則って公開することが望ましい。FAIR とはデータを「Findable(見つけられる)」、「Accessible(アクセスできる)」、「Interoperable(相互運用できる)」、「Reusable(再利用できる)」にするための一連の原則のことを指す。
To be Findable:(見つけられるために)
F1.(メタ)データが、グローバルに一意で永続的な識別子(ID)を有すること。
F2. データがメタデータによって十分に記述されていること。
F3.(メタ)データが検索可能なリソースとして、登録もしくはインデックス化されていること。
F4. メタデータが、データの識別子(ID)を明記していること。
To be Accessible:(アクセスできるために)
A1. 標準化された通信プロトコルを使って、(メタ)データを識別子(ID)により入手できること。
A1.1 そのプロトコルは公開されており、無料で、実装に制限が無いこと。
A1.2 そのプロトコルは必要な場合は、認証や権限付与の方法を提供できること。
A2. データが利用不可能となったとしても、メタデータにはアクセスできること。
To be Interoperable:(相互運用できるために)
I1. (メタ)データの知識表現のため、形式が定まっていて、到達可能であり、共有されていて、広く適用可能な記述言語を使うこと。
I2. (メタ)データがFAIR 原則に従う語彙を使っていること。
I3. (メタ)データは、他の(メタ)データへの特定可能な参照情報を含んでいること
To be Re-usable:(再利用できるために)
R1. メタ(データ)が、正確な関連属性を豊富に持つこと。
R1.1 (メタ)データが、明確でアクセス可能なデータ利用ライセンスと共に公開されていること。
R1.2 (メタ)データが、その来歴と繋がっていること。
R1.3 (メタ)データが、分野ごとのコミュニティの標準を満たすこと。
参考:
Licensed under a Creative Commons 表示4.0 国際 license ©2019
国立研究開発法人科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター
(出典)FORCE11: THE FAIR DATA PRINCIPLES (2016).
https://www.force11.org/group/fairgroup/fairprinciples,
NBDC 研究チーム(訳),
”FAIR 原則(「THE FAIR DATA PRINCIPLES」和訳)” (2019).
https://doi.org/10.18908/a.2019112601
4.本学の責務
本学は、研究データの保存、管理、公開、利活用を支援する環境の整備を推進する。
本学は、研究者等が研究データの保存、管理、公開、利活用を支援する環境の整備の例として以下のものを予定している。
- 研究データを保存・管理するためのデータ基盤の提供
- 研究データを公開・利活用するための機関リポジトリの提供
- 研究データを保存、管理、公開、利活用の手法に関する相談対応
- 研究データを保存、管理、公開、利活用推進のための啓発活動
5.ポリシーの見直し
本ポリシーは、社会や学術状況の変化に応じて、適宜見直しを行うものとする。
本ポリシーは、社会情勢や学術状況の変化に応じて見直すこととする。