研究紹介

国際線の航空機内における秩序維持に貢献。世界に通用する発信力を身に付けてほしい。

文学部英語グローバル学科
古畑 真美 講師

航空機や空港などの安全性や環境基準を定めた「国際航空法」。
古畑講師は主に、航空機内の秩序維持のために、どの国が処罰すべきかという「国際管轄権」の在り方を研究している。

通常、航空機内で起きる軽犯罪については、航空機の登録国が処罰する「登録国主義」が適用される。
「例えば、日本の航空機内で犯罪が起きて他国に到着した際、現地に日本の警察はいない。
『着陸国管轄権』を定める国もあるが世界で普及していないため、機内の犯罪抑止は難しい」と古畑講師。
殺人、テロ行為など重大犯罪に関しては、容疑者と被害者の国籍にかかわらず、どの国でも処罰できる「普遍主義」が適用される。

だが最近では、格安航空会社が著しく成長し乗客も増えたことで、窃盗、客同士のもめ事、酒酔いなどによる暴力、痴漢などの違法行為が問題になっている。
「島国である日本にとって航空は重要なインフラ。航空業界が安全かつ健全に発展できるシステムづくりに研究を通じて貢献したい」と古畑講師。
国際民間航空機関(ICAO)で外務省専門調査員として勤務した経験も生かして、現在、国際社会で通用するビジネス英語とコミュニケーションを本学の学生たちに教えている。

「国際法は経済、環境、人権などあらゆる国際問題の背後に存在するため、国際法の基礎知識は国際社会の理解につながる。日本で専門性を極めることが世界に貢献する力になる。グローバルに生きる多様な力を身に付けてほしい。」

PROFILE

津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。
一橋大学大学院法学研究科修士・博士課程修了。博士(法学)。
国際民間航空機関(ICAO)日本政府代表部で外務省専門調査員として勤務。
神戸大学国際協力研究科助手を経て、現在、武庫川女子大学文学部英語グローバル学科の講師。
専門分野は、国際航空法。