お知らせ

食創造科学科有井研究室が、カスタードクリームの代替食になりうる「豆腐クリーム」を開発しました。

| お知らせ

豆腐について研究する食創造科学科食品科学研究室(有井康博教授)は、カスタードクリームの代替食になりうる「豆腐クリーム」の開発に成功しました。材料は、豆腐、コーンスターチ、砂糖、バニラエッセンス。かたさ、もろさ、ガム性、粘着性、凝集性といった5つの物性もカスタードクリームに近づけました。

豆腐クリームは、通常のカスタードクリームが使用する小麦、卵、牛乳を使用していません。砂糖も、てんさい糖やさとうきび糖といった未精製糖を使います。これにより、小麦・卵・乳アレルギーのある人、グルテン不耐症の人、ヴィーガンの人にも食べてもらえます。家庭で調製できることも大きなポイントとなっています。

食の嗜好や宗教上の理由、健康問題やアレルギーで、様々な制限に対応する代替食の需要は、かつてないほどに高まっています。代替食は、食の選択肢を広げ、満足度を高め、生活の質(QOL)向上につながります。

有井教授は、「豆乳を使用せず、豆腐を牛乳と小麦の代わりに用いたことがポイント。植物性の食材のみを使用し、未精製糖を使うことで、ヴィーガンにも対応でき、豆腐の風味を和らげることができました。今後も、食の制限を持つ人に向けた代替食の提案をしていきたい」と話します。

今回の開発は、田村優衣さん(2022年度卒業)、杉本沙耶香さん(2023年度卒業)が卒業研究で取り組んだものをまとめ、Heliyonにも報告されています。

論文のリンクはこちら

本研究はJSPS科研費JP22K02191の助成を受けたものです。

有井教授は、8月に開かれる「日本食品科学工学会第72回大会」の第16回研究小集会(大豆部会)に招かれ、豆腐ができるメカニズム、豆乳をハチミツで固めたスイーツ「豆蜂(トーファン)」の開発や、豆腐にデンプンを混ぜることで作った「豆腐インク」などについて講演されます。