お知らせ

研究推進センターが初めて実施した「研究倫理塾」が終了しました。

研究者としての倫理観を醸成しようと9月から3回にわたり開講した「研究倫理塾」は、教授職から若手研究員、研究をサポートする事務職員、URA(University Research Administrator)を目指す職員まで延べ約60人が参加し、10月19日、終了しました。


「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(女性リーダー育成型)」事業の一環。近年、特に日本で多発する捏造、盗用などの研究不正とそのリスクを知り、信頼される研究リーダーを育成しようと、研究推進センターが初めて企画しました。

第1回は、河合優年副学長(研究担当)による講義。第2回・第3回は、JSTの動画「研究倫理の空白」を視聴後、グループディスカッションを行いました。

講義や動画を通して、研究活動の特定不正行為(捏造、改ざん、盗用)だけでなく、研究者の行動規範及び社会通念に照らして研究倫理からの逸脱の程度が甚だしいものとして、「二重投稿」「不適切なオーサーシップ」「サラミ投稿」などを指摘。不正に対し、違和感を覚える感性、研究者として後進を指導するうえで大切にすべきことをあらためて確認しました。

最終回で河合副学長は「責任ある研究行為(Responsible Conduct of Research)は、研究を推進するうえで研究者の基礎となる価値であり、研究者のリーダーとして必須条件です。そのうえで研究倫理はグラデーション(Questionable Research Practices)であり、不正の手前に、不正確な情報などグレーゾーンがあることを意識することが重要」と呼び掛けました。

受講者からは、「倫理について普段考えない角度からいろいろと変える機会であった」、「学生を指導する立場として、教育の本質について考えることができた点、倫理の根本にある事柄を確認できた点はよかった」、「グループのメンバーで考えを共有し自分の研究上の疑問に対して意義のある考え方を得られた」などの感想が寄せられました。