薬学科臨床製剤学研究室(吉田都教授)の渡辺万祐子さんが 日本薬学会第145年会で学生優秀発表賞を受賞しました。
| お知らせ薬学部薬学科臨床製剤学研究室5年(発表時、現6年生)の渡辺万祐子さんが、3月26~29日に開催された日本薬学会第145年会(福岡国際会議場)のポスター発表部門で、「γ-ウンデカノラクトンのカンジダ・アルビカンスに対する抗真菌活性」について発表し、学生優秀発表賞を受賞しました。
γ-ウンデカノラクトンに代表される中鎖脂肪酸ラクトンは香料として食品に添加されたり、デオドラント製品の中に含まれていたりすることもあります。特有の甘い香りの原因として知られるのがラクトンで、特にγ-デカラクトンとγ-ウンデカノラクトンが、甘い香りの原因とされています。この香りは10代後半をピークに、年齢とともにその濃度が減少することが分かっています。
渡辺さんは、皮膚疾患の原因となる病原性真菌であるカンジダ・アルビカンスに対してγ-ウンデカノラクトンが強い殺菌作用を示すことを世界で初めて明らかにしました。さらにγ-ウンデカノラクトンは、カンジダ・アルビカンスの菌体表面に小さな孔を形成することによって殺菌作用を示すため、従来の抗真菌薬とは異なる作用機序であることを明らかにしました。従来の抗真菌薬に耐性を起こしたカンジダ・アルビカンスに対しても殺菌作用を示す可能性が考えられ、これらの研究成果の薬学的な意義は非常に大きいと考えられます。
渡辺さんは受賞を受けて、「吉田都先生や助手の林紗希先生をはじめ、研究室の仲間の力を結集して得られた成果で、ご協力に感謝しています」と喜びを語りました。渡辺さんは今後、これらの研究成果を令和6年度架橋横断的重点共同研究として支援を受けた『武庫女発フェムテックの抗菌消臭快適サニタリーシステムの開発』などにつなげていきます。


