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第6回サイエンス・コモンズ セミナーを開催しました。

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武庫川女子大学サイエンス・コモンズは、2024年の開設以来、アイデアや夢を語り合い、新たな研究を生み出す場として、様々な分野の第一線で活躍する研究者が話題提供を行うセミナーを継続して開催しています。

このたび、2025年11月26日(水)に「第6回サイエンス・コモンズ セミナー」を、中央キャンパス公江記念館3階ゲストラウンジ(対面)とZoom(オンライン)のハイブリッド形式で開催しました。当日は、本学の教職員・大学院生・学部生に加え、オンラインを通じて学外からも多くの方にご参加いただき、対面18名・オンライン18名の計36名が熱心に耳を傾けました。

今回は、本学 健康・スポーツ科学部 スポーツマネジメント学科の五藤佳奈准教授が登壇し、「何歳まで倒立できる?生涯現役を貫くマスターズの世界」と題してご講演いただきました。 五藤先生は、スポーツ心理学を専門とし、スポーツ選手の心理やパフォーマンスとの関係に関する研究に取り組む傍ら、体操競技の国際審判員としても活躍されています。

講演ではまず、体操競技における国際的なマスターズ大会の現状について触れられました。長らく開催されていなかった国際大会ですが、東京で体操競技に取り組む日本人とドイツ人の方々の尽力により、2023年に「第1回マスターズ体操ワールドカップ」として開催された経緯についてご紹介いただきました。

続いて、五藤先生ご自身も参加された2025年のドイツ体操大会での視察内容や実体験について、現地の熱気と共にお話しいただきました。 ドイツの体操競技を語る上で欠かせないのが、「トゥルネン(Turnen)」という独自の体操文化です。トゥルネンは、マット運動や跳び箱といった「器械運動」の枠を超え、身体を動かす活動全般を指す広い概念です。地域に密着したスポーツクラブを中心に発展してきたドイツでは、誰もが参加できる文化として、トゥルネンが国民に広く深く根付いているそうです。

トゥルネンが浸透しているドイツの体操大会の規模は非常に大きく、五藤先生は街全体に溢れる老若男女の参加者のエネルギーに圧倒されたと語られました。また、現役選手の大会ルールとは異なり、男女混合(ミックス)チーム戦が行われたり、女性が男性種目のつり輪に、男性が女性種目の平均台に挑戦したりするなど、多様な形式が取り入れられている点についても、大きな驚きをもって紹介されました。

講演の後半では、五藤先生がドイツ体操大会の出場者に対して実施したアンケート結果の一部が共有されました。五藤先生は、調査を通じて得られた知見を基に、マスターズ大会の知名度向上や、多世代かつ多様な人々が競技を継続できるようなルールの改変、そして日本における大会運営の発展に貢献していきたいという今後の展望を力強く語られました。

【参加者の声】
・知らなかったドイツの体操のマスターズの状況について知ることができ、日本との違いがとても興味深かったです。

・体操競技は若いうちしかできないものではなく、幅広い年代で親しまれる競技になって欲しいし、体操に関わる人達がもっと増えて欲しいと思える内容でした。

・幅広い年齢層の方が参加できるような大会運営などに興味を持ちました。また機会があればお聞きしたいです。

・ドイツと日本の文化の違い、競技に対する考え方の違いなど大変興味深くお聴きしました。「倒立は何歳までできるか?」の問いに対する回答「夢があればいつまでも」には、元気をいただきました。自分が好きなことを年齢のせいで辞める必要はない!と感じました。

日時 2026年1月28日(水)15:30~17:30
場所 中央キャンパス 公江記念館(KM館)3階 ゲストランウンジ
詳細 https://scommons.mukogawa-u.ac.jp/news/2025/10/29/post_2515/