経営学部と阪神電気鉄道による特別講演「沿線と共に築く日本流ブランディング」を開催しました。
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経営学部と阪神電気鉄道による特別講演「沿線と共に築く日本流ブランディング」が25日、公江記念館地下大講義室で開かれ、関係者や地域の人ら約130人が参加しました。
阪神電車沿線に位置する武庫川女子大学は、2018年に阪神電気鉄道と包括連携協定を締結し、沿線活性化にともに取り組んでいます。2020年度に開設した経営学部の実践学習では、阪神間モダニズムを通して都市のブランド力向上を目指す「阪神KANお散歩マップ」の作成や甲子園歴史館のリニューアルプランなどに学生たちが参画し、体験型の学びを重ねています。
今回の特別講演は経営学部がこの春に卒業生を送り出し、学部が完成したことを記念して開催しました。第一部ではブランドの研究で知られる元武庫川女子大学学術顧問で阪神電気鉄道の監査役でもある石井淳蔵氏が「進化するブランド」と題して記念講演を行いました。
石井氏は欧米の組織が強力なリーダーシップのもとで市場ごとにブランドを立て、相対的価値を追究するのに対し、日本のブランドは同じ組織が様々な市場を取り込みながら絶対的価値を追究する傾向があると指摘。日本の老舗企業には自らの内側から変革する「オートポイエーシス」と、幅広い主語を包含する「中動態」という二つの特色が備わっているとしたうえで、「時代に合わせて姿かたちを変えながらもアイデンティティを保ち、“らしさ”を尊重しながら発展するのが日本流ブランディング。それを可能にしてきたのが、上意下達ではない成員主体の自由闊達さだ」と語りました。
第二部では、阪神電気鉄道株式会社の小川浩昭常務取締役、武庫川女子大学経営学部学部長の福井誠教授、学長企画室長で教育学部学部長の北口勝也教授と石井淳蔵氏によるパネルディスカッションが行われ、経営学部の高橋千枝子教授がファシリテーターを務めました。小川氏は阪神グループが今年3月に発表した「“たいせつ”がギュッと。」のブランドスローガンのもと、「阪神らしさ」を追究する方針について語り、福井学部長は「学外の企業や団体と連携し、学年を超えて取り組む実践学習は年間100件以上動いており、ほかの大学にはない、本学経営学部の特長として定着している」と語りました。
また、北口教授は今年4月、本学が新たな人材育成方針として発表した「MUKOGAWA COMPASS」について解説し、学院を挙げてインナーブランディングに取り組む方針を示しました。
会場では経営学部の学生や阪神電気鉄道の関係者、近隣の人たちが熱心に耳を傾け、質疑応答の呼び掛けに各所から手が挙がりました。「企業全体で一貫したブランドイメージを発信するにはどうすればいいか」という問いに石井氏は「ブランドらしさを示すエピソードを積み上げていけば、徐々にその企業に対する見方が変わってくる」と回答。これを受け、小川氏は「阪神ブランドを浸透させるため、いいエピソードをたくさん発信していきたい」、北口教授は「学生にMUKOGAWA COMPASSをわかってもらえるよう、まい進したい」と語り、それぞれの「ブランド」への思いを確かめ合いました。
A special lecture by the School of Business Administration and Hanshin Electric Railway, ''Building Japanese-style branding together with the railway lines'', was held in the large lecture room in the basement of the Koe Memorial Hall on 25 January, attended by about 130 persons from the related fields and the local community.
This special lecture was organized to commemorate the completion of the School of Business Administration, which sent out graduates this spring. In the first part, Junzo Ishii, a former academic advisor to Mukogawa Women's University and auditor of Hanshin Electric Railway, known for his research on brands, gave a commemorative lecture entitled 'Evolving Brands'.
Mr. Ishii pointed out that while western organizations establish brands for each market under strong leadership and pursue relative value, Japanese brands tend to pursue absolute value, with the same organization taking in various markets. He noted that long-established Japanese companies have two distinctive characteristics: autopoiesis, in which they change from within themselves, and the "middle movement", which encompasses a wide range of subjects, and added: "Japanese companies change their shape in accordance with the times, but maintain their identity and develop while respecting their ' identity'. The Japanese style of branding is to develop while respecting "uniqueness" and maintaining it while changing its form in accordance with the times.
Students from the School of Business Administration, people from Hanshin Electric Railway and people from the neighborhood listened attentively, and hands were raised from all parts of the venue when he called for a question and answer session.