第3回サイエンス・コモンズ セミナーを開催しました。
| お知らせ



2025年7月30日(水)、中央キャンパス公江記念館(KM館)3階ゲストラウンジにて、第3回サイエンス・コモンズセミナーが開催されました。学部生、大学院生、若手研究者を中心に、学内の多様な立場から10名が参加しました。
サイエンス・コモンズセミナーは、本学が誇る第一線の研究者が、多様な研究テーマを学内外に広く発信する場です。参加者の皆様に、本学の研究に触れることで新たな学びを得ていただき、分野を超えた研究交流や連携の機会を創出することを目指しています。
第3回となる今回は、社会情報学部社会情報学科の大野ゆう子教授にご登壇いただき、「意思決定過程としてのキャリア:進路選択と就職選択とライフイベント」と題してご講演いただきました。
講演はまず、人生における選択のプロセスについてのお話から始まりました。自分が納得できる基準をもつこと、そして意思決定の際の「アンカー(錨)」が何かを知ることの重要性が語られました。
そこで、大野先生のファシリテートのもと、参加者全員がキャリア・アンカーテストに挑戦しました。これは、キャリアを選択する際に無意識のうちに優先する価値観や動機を特定するための自己分析ツールです。40余りの質問に答えることで、意思決定の際に重視する「専門・職能」「自律・独立」「保障・安定」など8つの領域から、自分のキャリア・アンカーを客観的に把握できます。
テスト後には、結果をもとにグループディスカッションを実施。大野先生もご自身の就職やプライベートのキャリア選択についてお話くださり、参加者一人ひとりが自身の価値観や判断軸を深掘りする貴重な機会となりました。
後半では、キャリアの3段階(教育と訓練、組織への適応と昇進、定年とキャリア終了の準備)について詳しく説明がありました。また、どのような環境でも役立つ汎用的なスキル(ジェネリックスキルズ)の重要性や、知識と社会適応能力のバランスを取ることの必要性についても言及されました。
さらに、大野先生が専門とする合理的意思決定のプロセスについても詳述されました。病院選びを例に、評価基準の設定方法や、AHP(分析的階層化法)を用いた数値評価の方法を紹介。過去のデータ(がんの罹患率やタイタニック号の生存率など)から一般論を導き出す統計分析についても解説いただきました。
この講演は、キャリア選択という個人的なテーマから、社会全体のデータ分析に至るまで、多角的な視点から「意思決定」について考える機会となりました。
【参加者の声】
・キャリアに悩んでいたのですが、具体的な意思決定の方法を学ぶことができて大変勉強になりました。
・先生のお話と自分の人生が重なり、過ごしてきた環境や経験で価値観が変わったことに気づきました。
・キャリア・アンカーを体験し、改めて自身の価値観や判断軸を見つめる貴重な機会となりました。
\第4回サイエンス・コモンズ セミナーのご案内/
日時 | 2025年9月24日(水)15:00~17:00 |
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場所 | 中央キャンパス 公江記念館(KM館)3階 ゲストランウンジ |
詳細 | https://scommons.mukogawa-u.ac.jp/news/2025/07/30/post_2119/ |